<ダイオードの知識>
2007/10/23 日記<ダイオード>
ダイオード
ダイオード(英語|英:Diode)は整流作用(電流を一定方向にしか流さない作用)を持つ電子素子である。最初のダイオードは真空管|2極真空管で、後に半導体素子である半導体ダイオードが開発された。今日では単にダイオードと言えば、通常、半導体ダイオードを指す。
1919年、イギリスの物理学者 William Henry Eccles がギリシャ語の ''di'' = '2'と ''ode'' = '道' を合わせて造語した。::
''ダイオードの電子回路図上表記
1:アノード 2:カソード''
ダイオードの整流作用
ダイオードは、アノード(陽極)およびカソード(陰極)の二つの端子を持ち(この用語は真空管から来ている)、電流を一方向にしか流さない。すなわち、アノードからカソードへは電流を流すが、カソードからアノードへはほとんど流さない。このような作用を整流作用という。真空管では、電極間に印加する電圧によって、カソードからの熱電子がアノードに到達するかが分かれることで整流作用が生じる。半導体ダイオードでは、p型とn型の半導体が接合されたPN接合や、半導体と金属が接合されたショットキー接合などが示す整流作用が用いられる。PN接合型ダイオードにおいては、p型側がアノード、n型側がカソードとなる。ダイオードの基本動作
ここでは半導体ダイオードの動作について、基本的なPN接合ダイオードを例に取って簡単にその特性を述べる。2極真空管については、真空管の項を参照されたい。
基本構造と熱平衡状態
とバンド構造の模式図
PN接合ダイオードは、n型半導体とp型半導体が滑らかに繋がった(接合された)構造をしている。PN接合部ではお互いの電子と正孔が打ち消し合い、これら多数半導体#キャリア|キャリアの不足した空乏層が形成される。この空乏層内は、n型側は正に帯電し、p型側は負に帯電している。このため内部に電界が発生し、空乏層の両端では電位差(拡散電位)が生じる。ただしそれと釣り合うように内部でキャリアが再結合しようとするので、この状態では両端の電圧は0である。
整流動作
順方向バイアス
ダイオード
ダイオードのアノード側に正電圧、カソード側に負電圧を印加することを順方向バイアスをかけると言う。これはn型半導体に電子、p型半導体に正孔を注入することになる。これら多数半導体#キャリア|キャリアが過剰となるために空乏層は縮小・消滅し、キャリアは接合部付近で次々に結びついて消滅(再結合)する。全体でみると、これは電子がカソードからアノード側に流れる(=電流がアノードからカソード側に流れる)ことになる。この領域では、電流はバイアス電圧の増加に伴って急激に増加する。また電子と正孔の再結合に伴い、これらの持っていたエネルギーが熱(や光)として放出される。また、順方向に電流を流すのに必要な電圧を順方向電圧降下と呼ぶ。
逆方向バイアス
ダイオード
アノード側に負電圧を印加することを逆方向バイアスをかけると言う。この場合、n型領域に正孔、p型領域に電子を注入することになるので、それぞれの領域において多数半導体#キャリア|キャリアが不足する。すると接合部付近の空乏層がさらに大きくなり、内部の電界も強くなるため、拡散電位が大きくなる。この拡散電位が外部から印加された電圧を打ち消すように働くため、逆方向には電流が流れにくくなる。より詳しくは、PN接合の項を参照のこと。実際の素子では、逆バイアス状態でもごくわずかに逆方向電流(漏れ電流、ドリフト電流)が流れる。さらに逆方向バイアスを増してゆくと、ツェナー降伏やなだれ降伏を起こして急激に電流が流れるようになる。この降伏現象が始まる電圧を(逆方向)降伏電圧または(逆方向)ブレークダウン電圧と言い、降伏によって急激に逆方向電流が増加している領域を降伏領域(ブレークダウン領域)と言う。ブレークダウン領域では電流の変化に比して電圧の変化が小さくなる。この領域で積極的に動作させることで定電圧源として利用するのがツェナーダイオードである。
ダイオードの種類
: 半導体のPN接合の整流性を利用する、基本的な半導体ダイオードである。詳しくはPN接合の項を参照のこと。
: 金属と半導体との接合面のショットキー効果の整流作用を利用している。順方向の電圧降下が低く、逆回復時間が短いため、高周波の整流に適する。一般的に漏れ電流が多く、サージ耐力が低い。これらの欠点を改善した品種も製作されている。
: 逆方向電圧をかけた場合、ある電圧でツェナー降伏が起き、電流にかかわらず一定の電圧が得られる性質を利用するもの。電圧の基準として用いられる。添加する不純物の種類・濃度により降伏電圧(破壊電圧)が決まる。なお、順方向特性は通常のダイオードとほぼ同等。
: 順方向電圧をかけた場合、電圧にかかわらず、一定の電流が得られる様にしたもの。通常品は1mA〜15mAの範囲の電流容量である。名称こそダイオードとなっているが、構造・動作原理ともむしろ接合型電界効果トランジスタ|FETに似ている。
: 量子トンネル効果により、順方向電圧をかけるほどに流れる電流量が少なくなる「負性抵抗」が現れる電圧領域を利用するもの。1957年に江崎玲於奈が発明した。不純物濃度を調整し、ツェナー破壊電圧を順方向バイアス電圧の領域にしたもの。
: 2極(Diode)の交流(AC)スイッチということからなずけられた名称。米国GE社で開発され、交流電源から直接トリガパルスを得る回路に使用される。規定の電圧(ブレーク・オーバー電圧:VBO)を超えた電圧がかかった場合に導通状態になり端子間の電圧を低下させる双方向素子である。電子回路のサージ保護用として使用される。基本構造はPNP(またはNPN)三層の対象構造を持ち、PN結合のアバランシュ効果と、トランジスタの電流利得作用による負性抵抗特性をもつ。なお、名称こそダイオードとなっているが、実際の構造・動作原理はサイリスタに分類される複雑なものになっている。
: 電圧を逆方向に掛けた場合にダイオードのPN接合の空乏層の厚みが変化することによる、静電容量(接合容量)の変化を利用した可変容量コンデンサ。機械的な部分がないため信頼性が高い。VCOや電圧可変フィルタに広く用いられており、テレビ受像器や携帯電話には欠かせない部品である。なお、日本ではバリキャップと呼ばれることが多いが、海外ではバラクタと呼ばれることが多い。
: PN間に電気抵抗の大きな半導体層をはさみ少数半導体#キャリア|キャリア蓄積効果を大きくし逆回復時間を長くしたものである。順方向バイアス時に高周波交流を通過させる性質があることを利用し、空中線のバンド切り替えなど高周波スイッチングに用いられる。
: レーザー光線を発生させるもの。半導体レーザーとも呼ばれる。
: PN接合に光が入射すると、P領域に正孔・N領域に電子が集まり電圧が生じる(光起電力効果)。その電圧または電流を測定し光センサとして利用するもの。PN・PIN・ショットキー・アバランシェフォトダイオード|アバランシェ(APD)の種類がある。太陽電池も同じ効果を利用しているが、フォトダイオードは逆方向バイアスを印加して光電流を取り出している。
: 一定の電圧を超えた場合、電気抵抗が低くなりサージ電圧から回路を保護する双方向素子である。酸化亜鉛焼結体の粒界が持つ、非直線抵抗性を利用している。
: 真空管の項参照。
: 針状電極と平板電極を向かい合わせた場合放電ギャップでは、針状電極を負極とした場合の方がより低い電圧で放電を開始する。と言う性質を利用した整流器。
: N型半導体の表面にタングステンなどの金属の針状電極を接触させたもの。その構造上、寄生容量が非常に小さいという特徴がある。ゲルマニウム・ダイオードやガン・ダイオードで用いられている。鉱石検波器も、点接触ダイオードの一種である。
: エレクトロルミネセンス効果により発光する。詳しくは発光ダイオードの項を参照。
: マイクロ波(小電力)の発振器に用いられる。
材質による分類(古い順)
関連項目
* 整流器参考図書
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◆ダイオードについてピックアップ アノード側に負電圧を印加することを逆方向バイアスをかけると言う。この場合、n型領域に正孔、p型領域に電子を注入することになるので、それぞれの領域において多数半導体#キャリア|キャリアが不足する。すると接合部付近の空乏層がさらに大きくなり、内部の電界も強くなるため、拡散電位が大きくなる。この拡散電位が外部から印加された電圧を打ち消すように働くため、逆方向には電... |




