<CMOSの知識>
2007/11/07 日記CMOS
CMOS(シーモス、Complementary Metal Oxide Semiconductor)とは、狭義では相補形MOS(金属酸化膜半導体)のことをいう。ただし、単にCMOSと言った場合、使われる文脈によって、いろいろな意味合いをもつ(『その他の用例』参照)。原理
pチャネルとnチャネル の電界効果トランジスタ|MOSFETを、相補うように接続した集積回路の構造である。CMOSを使った最も基本的な回路である、インバータ(論理反転回路)を右図に示す。この回路において、VddとVssは電源線(VddはVssに対して3-10V程度の電位を持つ)で、Aが入力信号線である。AがVssと同じ電位を持つとき、上のFETがオンになり、下のFETがオフになる。このため、出力Qの電位はVddとほぼ等しくなる。また、AがVddと同じ電位を持つとき、上のFETがオフになり、下のFETがオンになる。このため、出力Qの電位はVssとほぼ等しくなる。つまり、Aと反対の電位がQに現れる事になる。AがVddとVssの中間の電位であるときには、上のFETと下のFETが同時にオンになってしまい、VddからVssに向けて大量の電流が流れる異常な状態となる。また、AがVdd以上の電位になると、上のFETがONになりっぱなし(Aの電位をVdd以下に戻してもONのまま)になってしまう(ラッチアップ)。同様にAがVss以下の電位になると下のFETがラッチアップする。いずれも異常な状態で、インバータとしての正しい動作をしなくなる。特徴
Transistor-transistor logic|TTLなどに比べて消費電力の少ない論理回路を実現でき、また集積度を上げることが可能である。MOSFETの動作領域における直流伝達特性は、線形領域における出力電圧が入力電圧にほぼ等しいのに対して、飽和領域における出力電圧はゲート電圧から「しきい値電圧」を引いた値となる。p-MOSFET が飽和領域のとき n-MOSFET は線形領域であり、n-MOSFET が飽和領域のとき p-MOSFET は線形領域であることより、CMOSの動作領域の殆どを線形領域とすることができる。CMOS構造では、P型半導体とN型半導体が共存するので寄生半導体(寄生ダイオード・寄生サイリスタなど)が生じてしまう。このため、何らかの原因で電源電圧範囲を入力電圧が外れると、MOSFETがオンのままとなるラッチアップ現象が発生する。また、入力電圧が電源電位と接地電位の中間になる時には、本来排他的に制御されるべき複数のMOSFETをオンにしてしまう。これにより、最悪の場合電源線と接地線が短絡|ショートした格好となり、大電流が流れる。(これを貫通電流と呼ぶ。)このとき発生する熱によって、自身が破損してしまうことも多い。このため、電位が不定になる(どこにも接続されない)可能性がある入力端子はデジタル回路#プルアップ・プルダウン|プルダウンあるいはプルアップして電位を安定させる必要がある。また、一瞬でも電源電圧範囲を超える可能性がある入力端子には、ダイオードなどによる保護回路を設ける必要がある。なお、これらの保護回路を内蔵したICも存在する(入力トレラント機能)。CMOS構造にすると、ゲート電圧に加える制御パルスを"1"から"0"に変化したときは劣化することなく直前の出力のままにでき、"0"から"1"に変化したときは劣化することなく入力信号が出力できる。CMOS構造の論理回路は、電源電圧を低くすると消費電力が少なくなる反面、伝達遅延時間が大きくなる性質を持つ。製造プロセスの改良により、低電圧動作と高速化の両立が図られてきている。1990年代になると、半導体メモリやマイクロプロセッサなどのロジック集積回路|ICはほとんどがCMOS構造となり、小容量電源回路・アナログ-デジタル変換回路・デジタル-アナログ変換回路などを含むものも製作されるようになった。CMOS標準ロジックIC
単一電源でCMOSレベルの入出力インターフェースで統一された集積回路である。(74HCTや74ACTのように、入力ロジックレベルをTransistor-transistor logic|TTLに合わせたタイプもある。) CMOS入出力レベル電圧 (V)
Vcc : 電源電圧その他の用例
関連項目
◆CMOSについてピックアップ
Transistor-transistor logic|TTLなどに比べて消費電力の少ない論理回路を実現でき、また集積度を上げることが可能である。MOSFETの動作領域における直流伝達特性は、線形領域における出力電圧が入力電圧にほぼ等しいのに対して、飽和領域における出力電圧はゲート電圧から「しきい値電圧」を引いた値となる。p-MOSFET が飽和領域のとき ...


