<ASICの知識>
2007/12/05 日記ASIC
ASIC(Application Specific Integrated Circuit)は電子部品の種別の1つで、特定の用途向けに複数機能の回路を1つにまとめた集積回路の総称である。デジタル回路が一般的であるが、1990年代後半より、アナログ回路も製作されるようになった。主に大量生産される機器に使用される。目的
ASICは単体の半導体である標準ロジックICや標準メモリーIC、回路設計を書き換えるプログラマブルロジックデバイスやFPGAなどと比べて以下の点での向上が予定されている。
実装面積は確実に縮小されるが、他の2点については正しく設計され優秀なプロセス技術を用いてなければ失敗の可能性があり、ASICであっても満足いく結果が保障されている訳ではない。課題
分類
基本となる論理回路(ゲート回路)を一面に敷き詰めた「下地」を予め製造しておき、個別品種向けの配線層のみ注文に応じて作りこんで製品とする。配線層の製造工程だけで済むため製造期間が短く、下地は大量に製造するためコスト的に有利。反面、標準ゲートの組み合わせで回路を構成するため集積度・性能は劣る。
設計済みの機能ブロックを配置し、それ以外の個別ロジック回路とこれらの間の配線層を作りこんで製品とする。集積度・性能ともゲートアレイより有利だが、下地から作る分製造期間・コストは不利。
ゲートアレイの下地の一部の代わりに、設計済みの機能ブロックを埋め込み、残りのロジックはゲートアレイ部分を利用して配線するもの。ゲートアレイとセルベースの折衷型である。
上記3種を総称する場合、セルベースICを指す場合など集積回路ベンダによって使い方が異なる。
開発期間を短縮するために、ゲートアレイの下地に加えSRAMやクロック用PLL、入出力インターフェースなどの汎用機能ブロックを予め組み込み、最小限の個別設計で対応できるようにしたもの。クロック分配回路などは製造者側で専用配線層を用いて配線するなど、ユーザの設計負担を減らす工夫が見られる。各ベンダで提供する機能はかなり異なる。ASICの設計方法
ASICと呼ばれるLSIは、Verilog|Verilog HDL又は、VHDLと呼ばれるハードウェア記述言語が開発されると、これらを用いて設計することが主流となった。
これらの言語は、回路情報を電子的に扱い、LSI開発効率を向上するために開発された言語である。
旧来のASIC開発では、AND,OR,NOT,FF等の論理回路記号を回路図ベースで組み合わせて設計していた。(スケマティック/ゲートレベル)
しかし、現在のVerilog HDLによるRTL記述では、組み合わせ回路の論理と順序回路のタイミング/条件を記述するだけでよく、ゲートレベルに比べ抽象度の高い記述が可能になったことにより、設計の開発効率が向上した。
また、RTL記述の回路はそのままでは実際のLSIの回路に適用できないため、ゲートレベルに変換する論理合成プログラム(例:シノプシス|Synopsys社製DesignCompiler等)を使用する。詳細はEDAを参照。用途の例
用途は非常に多岐に渡るため、下記は一部の例である。ASICは単機能IC以外のほとんどすべての半導体製品を含んでいるため、無数の家庭用・産業用・事務用の電気製品に含まれている。* 通信分野
通信帯域の増加と通信量の増加から、高速処理を要求されるネットワーク通信機器などに特に利用されている。ルータ、L3〜L7レイヤ3スイッチ|スイッチ、ファイヤーウォール、負荷分散(Server Load Balancing|SLB/NLB)装置、パケット処理装置などで、ASICが良く利用されている。
コンピュータ用の3DCG|3DグラフィックスレンダリングエンジンとなるLSIなどにも利用されている。
また、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどでの画像補正、画像圧縮の処理に専用ASICを開発しているメーカー(例キヤノンのDIGICなど)もある。
高速なコピー機などの複合機でも、高速な画像処理が必要な装置では、画像処理専用ASICを搭載しているものもある。
DVDレコーダーに代表される動画圧縮/再生処理も、専用のMoving Picture Experts Group|MPEGエンコーダ/デコーダ用ASICが開発されている。
デジタル放送対応の大型FPDテレビには、上記MPEGデコーダASICが搭載されることもあるが、将来的な圧縮方式の規格変更に対応可能なように、FPGAで構成されているものもある。
CPUやマイクロコントローラなどのプロセッサも、専用マスクを作成して生産するという点では広義のASICの定義に該当するが、これらは常に別分類として扱われる。各種CPU用のチップセットや、汎用標準バス制御(Peripheral Component Interconnect|PCIバスブリッジなど)のLSIはASICといえる。製品の位置づけ
多くのASIC製品は最先端の半導体技術開発競争に取り残された準大手の半導体メーカーが、2〜3世代程度遅れた半導体製造ラインを使って、そこそこのコストをかけて作った廉価な製品群であることが多い。もちろん例外もあり、高性能を追求するためのASICも存在する。ただ、そういった高性能ASIC製品の場合はメーカーも「専用に半導体を開発して使用」といってあまり「ASIC」とは呼びたがらない。ASICには「こなれた技術」(=旧式技術)を「廉価」に「1つのパッケージにした(押し込めた)」ものというイメージ
がある。関連項目
◆ASICについてピックアップ
全てが個別設計のため設計に関わるの人件費がコストを高める。 製造工程がいくぶん複雑になることによるコスト上昇がある。分類 基本となる論理回路(ゲート回路)を一面に敷き詰めた「下地」を予め製造しておき、個別品種向けの配線層のみ注文に応じて作りこんで製品とする。配線層の製造工程だけで済むため製造期間が短く、下地は大量に製造するためコスト的に有利。反面、標準ゲ...


